あまりにも残虐で、ひどい。
米、北朝鮮渡航禁止を検討 トランプ氏「悲劇
を防ぐ」昏睡の学生死亡
米政府は19日までに、北朝鮮による米市民拘束を防ぐため、観光目的での渡航禁止など対策の検討に乗り出した。北朝鮮が昏睡状態で解放した米国人大学生オットー・ワームビア氏が死亡したことを受け、米国内では反発が強まっており、トランプ大統領は19日、「法の支配や人間性を無視する政権に無実の人々が捕らわれる悲劇を防ぐ」と決意を強調した。
米政府は、北朝鮮に核放棄を迫るため圧力強化を図る中、北朝鮮が拘束した米市民を「人質」として交渉材料に使うことを警戒。ティラーソン国務長官は「不当に拘束した責任を負わせる」と述べた。
共和党重鎮のマケイン上院議員は19日の声明で「ワームビア氏は金正恩政権に殺された。米国は敵対勢力によって市民が殺されるのを容認するわけにはいかない」と強調した。(共同)
トランプ氏、残忍と非難 北朝鮮で昏睡の米学生死亡 中国旅行会社、ツアー中止
北朝鮮に拘束されている間に昏睡状態に陥り、13日に解放された米国人大学生オットー・ワームビア氏(22)が19日午後、治療を受けていたシンシナティの病院で死亡した。ワームビア氏の家族が声明で明らかにした。
トランプ米大統領は声明で弔意を表するとともに「米国は北朝鮮の残忍さを改めて非難する」と強調。ティラーソン国務長官も「米国は北朝鮮にワームビア氏を不当拘束した責任を負わせる」と言明した上で「不法に拘束されている他の米国人3人の解放を要求する」と訴えた。
家族は声明で「残念ながら、息子に対する北朝鮮のひどい扱いが、今日の悲しい結末をもたらした。息子は帰国後、話すことも見ることも言葉に反応することもなかった」などと訴えた。
病院の担当者は15日の記者会見で、容体について「深刻な神経上の損傷を負っている」などと説明し、脳組織が広範囲にわたって壊死しているとの診断結果を公表していた。
中国旅行会社、米国人の北朝鮮ツアー中止
オットー・ワームビア氏が参加した観光ツアーを催行した中国の旅行会社は20日、米国人向けの北朝鮮ツアーの催行を取りやめると発表した。ホームページに声明を掲載した。
旅行会社は中国・西安に本社を置き、北朝鮮旅行を専門に取り扱う「ヤングパイオニアツアーズ」。声明によると、ワームビア氏の拘束後、北朝鮮側に何度も面会を要請したが拒否され、大丈夫だとの説明だけ受けていたという。
同社は、ワームビア氏の死亡を受け「米国人旅行者の受け入れを再考することになった」と表明。「今や米国人が北朝鮮を旅行するリスクは高すぎる。今回のような悲劇が繰り返されてはならない」とツアー中止の理由を説明した。(共同)