2016.3.19 岸田外務大臣がバチカン訪問 協力・連帯の確認、教皇訪日要請も
岸田外務大臣のバチカン訪問 (2016年3月19日) 協力・連帯の確認、教皇訪日要請も 中国、北朝鮮問題にも意見交換 バチカン大使館広報より 日・バチカン外相会談 3月19日,午後5時から約1時間10分間,バチカンを訪問中岸田文雄外務大臣はポール・リチャード・ギャラガー・ローマ法王庁外務長官(H.E. Archbishop Paul Richard Gallagher, Secretary for Relations with States of the Holy See)と会談したところ,概要は以下のとおりです。 1 冒頭 ギャラガー長官から,岸田大臣をバチカンに迎えることができたことを嬉しく思う旨発言があったのを受けて,岸田大臣から,日本とバチカンは,平和の探求,開発,人権,環境保護等の課題を共に重視しており,国際世論への多大な発信力を有するバチカンと人類共通の課題解決へ向けた協力関係を深めたい旨述べました。ギャラガー長官は,これに賛意を示しつつ,バチカンは国益にとらわれず,よりグローバルな観点から諸課題に取り組むことができる旨述べました。 2 日バチカン関係 岸田大臣から,東日本大震災から5年を迎え,復興への励ましを頂くためにも,是非フランシスコ法王に日本にお越しいただき,アジア及び世界の平和をお祈りいただきたい,またギャラガー長官にも訪日していただきたい旨述べました。 これに対しギャラガー長官は,法王に対する訪日招待に謝意を表明しつつ,適切な機会を捉えて訪日を実現したい旨の発言がありました。 3 グローバルな課題,地域情勢 (1)岸田大臣から,日本が今年G7の議長国であることに触れ,4月のG7広島外相会合では,テロ・暴力的過激主義対策,軍縮・不拡散,海洋安全保障といったグローバルな課題,ロシア・ウクライナ情勢,中東等の地域情勢について議論したい,また,今回は8年ぶりのアジアでのG7会合の開催であることから,アジアについても議論したい旨述べました。 (2)グローバルな課題 軍縮・不拡散に関し,岸田大臣から,世界的に道義的な影響力を有するバチカンの役割は重要である,核兵器のない世界の実現に向け,G7外相会合では国際社会に対して力強いメッセージを発出したい旨述べました。ギャラガー長官は,軍縮・不拡散はバチカンにとっても関心事項である,法王庁内でも議論を重ね,IAEAの会合にも参加する等して鋭意取り組んでいる旨の発言がありました。両者は,この分野で緊密に連携していくことを確認しました。 両者はまた,安保理改革,気候変動といった分野でも連携して取り組んでいくことを確認しました。 (3)地域情勢 岸田大臣から,テロは如何なる理由でも許されず,国際社会が団結して対処する必要がある旨述べ,テロ対策にかかる日本の取組・考え方について説明しました。ギャラガー長官は,宗教指導者が対話を通じて役割を果たしていく必要がある旨述べました。 両者はまた,イラン,東シナ海・南シナ海,北朝鮮,ロシア・ウクライナ情勢についても意見交換を行いました。 |